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新規サービスやアプリのユーザー数を増やすには、何かしらのマーケティングを行って人々の注目を集める必要がありますが、「趣味や副業にそこまで多くの時間は費やせない」と悩んでいる人もいるはず。そんな人に向けて、わずか数分で履歴書を作れるというオンラインサービス「ResumeMaker.Online」を立ち上げたFernando Pessagno氏が、「ほとんどマーケティングに時間を費やさず月間訪問者数10万人のサービスに成長させた方法」をまとめています。

How I grew my startup to 100.000+ visitors per month with no time for marketing | by Fernando Pessagno | Bootcamp
https://bootcamp.uxdesign.cc/i-grew-my-startup-to-100-000-visitors-per-month-with-no-time-for-marketing-254ba456ad4a

アルゼンチン生まれのPessagno氏は、ResumeMaker.Onlineを立ち上げてからの3年半は母国を離れて3つの異なる国へ引っ越し、3つの異なるフルタイムの仕事で働いてきました。これには新しい文化に適応して住居を見つけ、諸々の手続きを行い、新しい組織に慣れるなどのタスクが伴ったため、サイドプロジェクトであるResumeMaker.Onlineにそこまで多くの時間を費やすのは難しかったとのこと。1週間に1~2時間しかResumeMaker.Onlineに取り組めない期間もあったほか、生活や仕事に慣れても週4~6時間を捻出するのが限界だったそうで、自然と取り組む範囲を縮小せざるを得なかったと述べています。

そのため、Pessagno氏はResumeMaker.Onlineのマーケティングに多額の時間やコストを費やしませんでした。それでも、ResumeMaker.Onlineは履歴書の無料ダウンロード数が累計100万回を突破し、月間訪問者数が10万人を超えるサービスに成長しました。Pessagno氏はResumeMaker.Onlineが成長した経緯について、以下のように解説しています。

◆SEO(検索エンジン最適化)
Pessagno氏によると、ResumeMaker.Onlineの訪問者の約65%が検索エンジンを利用したオーガニック検索で流入しているとのことで、ResumeMaker.OnlineはSEOに成功しているといえます。最初の後押しとなったのは、プロダクト投稿サイトのProduct Huntが開催する「Product of the day + week」でResumeMaker.Onlineが1位を獲得したことでした。


Pessagno氏はインディーズのハッカーシーンに詳しくなかったため、期待値ゼロの状態でProduct Huntに登録したそうですが、幸いにもこの影響で大量のバックリンクやSNSのシェアが生成され、デザイン系ブログでの紹介記事なども作られました。この流れに乗ったPessagno氏は、その後もユーザー向けのケーススタディを書いたり、複数のインタビューに答えたりしましたが、テクノロジー・デザイン・インディーハッカーの限られたコミュニティの外部で注目を集めるのには苦労したとのこと。

そもそもResumeMaker.Onlineの想定ターゲットは技術に精通したユーザーではなく、PCやITに詳しくない一般ユーザーだったため、Pessagno氏はより多くの人々が目にするメディアで報道されたいと願っていました。しかし、メディアキットを添付したメールを何百人ものジャーナリストに送っても反応は薄く、貴重な時間を無駄にしてしまったそうです。

そこでPessagno氏は「大手のメディアに掲載されたらその他の中小メディアも追随して報じるだろう」という仮定に基づき、大手メディアに向けてアピールするという方針を定めました。加えて、ResumeMaker.Onlineというサービスを全面に押し出すのではなく、「アルゼンチンを出て海外で仕事をしている人間」として自分自身を売り出す方針に転換したとのこと。当時、アルゼンチンでは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによる厳しい都市封鎖などの影響で経済が停滞しており、海外で仕事に就いた人の体験談には一定の需要があったとPessagno氏は述べています。

その結果、1カ月に2000万人以上のユニークビジターがあるClarínというアルゼンチンのウェブサイトからインタビューを受け、ResumeMaker.Onlineの宣伝ができたとのこと。また、その他のさまざまなニュースサイトもこのインタビューについて報じたため、Pessagno氏は何か作業することもなく大量のバックリンクを作り出せました。この経験からPessagno氏は、製品そのものを売り込む時間効率の悪い方法だけでなく、もっと別の切り口でジャーナリストに売り込むことができないか検討する重要性を主張しています。


こうして生成された大量のバックリンクに支えられ、ResumeMaker.Onlineはほとんどの国で「resume maker(履歴書メーカー)」といった単語で検索上位に来るようになりました。ところが2020年12月、GoogleのアップデートによってGoogle検索エンジンにおけるランクが一気に下げられてしまい、検索流入がガクッと落ちてしまったそうです。一時はPessagno氏も悲観的な気持ちになったものの、フルタイムの仕事で2週間の休暇を取った際に、Googleのウェブサイトパフォーマンス最適化ツール・PageSpeed Insightsで指摘された問題を修正し、モバイルエクスペリエンスを刷新したとのこと。

その結果、ResumeMaker.Onlineのパフォーマンスは大きく改善し……


Googleサーチコンソールの結果も一気に向上しました。以下のGoogleサーチコンソールのグラフを見ると、2020年12月頃にガクッと検索結果順位が悪化したものの、2021年7月頃に急激な回復を見せていることがわかります。


◆多言語サポート
ResumeMaker.Onlineは英語だけでなくスペイン語・ドイツ語・ポルトガル語・スウェーデン語・フランス語・イタリア語の6言語をサポートしています。Pessagno氏によると、トラフィックのほとんどが英語であるにもかかわらず、ユーザーの最大10%が英語以外のページに到達しているとのことです。

◆透かし(ウォーターマーク)のリンク
ResumeMaker.Onlineをリリースした当初、Pessagno氏は「収益化が成長の妨げになるのではないか」と考えたため、基本機能を100%無料で提供しました。その代わり、作成した履歴書の末尾に透かし(ウォーターマーク)でResumeMaker.Onlineへのリンクを入れ、履歴書を受け取った人々がサイトへアクセスできるようにしたとのこと。透かしリンクの実装には10分もかかりませんでしたが、トラフィックの約2%が透かしリンクから来ているとPessagno氏は述べています。


◆シェアしてダウンロード
記事作成時点のResumeMaker.Onlineには、透かしリンクのない履歴書をダウンロードできる有料バージョンがありますが、引き続き透かしリンク有りの無料バージョンも提供されています。しかし、無料バージョンでダウンロードするには「SNSでシェアする」ことが条件となっており、無料ユーザーはダウンロード前にSNSでResumeMaker.Onlineをシェアしているとのこと。ResumeMaker.Onlineでは月間約2万5000回の無料ダウンロードがあるそうで、多くのユーザーは共有直後に投稿を削除しているだろうと思われるものの、トラフィックの約10%はSNS経由で来ているそうです。


◆シェア割引リンク
ResumeMaker.Onlineの有料バージョンを利用したユーザーは、友人や家族に「シェア割引リンク」を送信することで、次回ダウンロードの料金が半額になる割引を受けられます。このリンクからのトラフィックは全体の1%未満であるものの、有料ユーザーの70%がリンクをシェアしており、侮れない成果が上がっているとPessagno氏は述べました。


Pessagno氏は記事の最後で、「限られた時間の中で何ができるのか、現実的に考えてみることが大切でした」と述べ、マーケティングにそれほど多くの時間とコストを費やさなくても、サービスを成長させることができたと主張しています。将来的にはResumeMaker.Onlineに関する作業の多くを自動化し、週に2、3時間の労働で今よりはるかに大きな収益を上げることが目標だとのことです。

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