漫画『キャプテン翼』の主人公が所属するチームと同名のサッカークラブとして知られる「南葛(なんかつ)SC」(東京・葛飾)。このクラブに、J2リーグ「栃木SC」で取締役マーケティング戦略部 部長をしていた「えとみほ」さんこと、江藤美帆さんが今年(2022年)5月、マーケティング部長としてジョインしました。

『キャプテン翼』の原作者・高橋陽一さんがオーナー兼代表を務めるなど、異色のクラブとはいえ、まだアマチュアの社会人チームである南葛SCに、えとみほさんは、どんな魅力と可能性を感じたのでしょうか。

今回は、Marketing Nativeで連載中で、サッカーファンのエルモさんに、えとみほさんを取材してもらいました。

「リアル×バーチャル×IP」。南葛SCの計り知れない可能性

エルモ 栃木SCから南葛SCに移られた理由をあらためて教えてください。ネットとリアルの両方に知見と実績があり、個人的に次はまたインターネットに関わるビジネスに戻ると思っていましたので、再びリアルが主体のビジネスを選択されたのは驚きでした。

えとみほ よく聞かれるのですが、明確な答えはないのです。栃木での生活も、栃木SCのことも好きでしたし、働きやすかったので、少なくともネガティブな要素はありません。

私は起業やスタートアップの勤務経験が長いので、劇的でスピーディな変化を楽しいと感じるタイプです。栃木SCの4年間も、広い裁量を持たせていただいたおかげで、地方クラブのカルチャーやデジタル施策など多くの課題をダイナミックに変えられたと思います。

画像は本人のご提供

栃木SCを辞めようと考えた理由をあえて探してみると、変化が落ち着いてきて、自分の中でスピードが少しずつ緩やかになってきたと感じていたことが1つあるかもしれません。もう1つの理由は、新たに採用した若手社員たちが育ち、自走できるようになってきたことです。社員の成長自体はもちろん、ポジティブなことですが、私自身にとっては2年に1回の役員改選のタイミングを迎え、「新しい環境に挑戦しようかな」と考えるきっかけになりました。

エルモ ということは、栃木SCを辞めると会社に話したときには、転職先は考えていなかったのですね。南葛SCに行くことになったのはなぜですか。

えとみほ 「辞めます」と言ったタイミングでは何も考えていませんでした。

南葛SCに行くことになったのは、元『サッカーキング』編集長で、南葛SC でGMを務める岩本(義弘)さんと情報交換をしているときに栃木SCを辞める話になり、岩本GMから「南葛SCの新しいチャレンジに力を貸してほしい」とオファーを頂いたからです。

話を聞いて、面白そうだと思いました。なぜかというと、まだ何もない、ほぼゼロの状態からJリーグ入りを目指して、自分たちの手でイチから作り上げていく瞬間に立ち会えるからです。栃木SCはJ2のクラブで、歴史もそれなりに長く紡がれ、ファンやサポーターの方々もJリーグに上がる前から応援されている方々がたくさんいらっしゃいます。正直、そのことをうらやましく思うときもありました。

一方、南葛SCは、練習場も固定ではないですし、Jリーグならどのクラブも持っている専用の大型バスもなく、「NANKATSU SC」とラッピングした小型のマイクロバスがようやくできたところです。そんなフェーズからJリーグを目指す体制が少しずつ出来上がっていく輪の中に参加できるのは、とても魅力的に感じました。

エルモ 南葛SCでは、これまで以上にゼロイチ寄りのフェーズに携われるということですね。とはいえ、関東リーグのクラブの中では資金力が豊富で、ビジネスとしての魅力も兼ね備えていると思います。南葛SCと他のクラブとの大きな違いはどこにあるとお考えですか。

えとみほ 確かに関東リーグのカテゴリでは異質なクラブだと思います。やはりオーナーの高橋陽一先生が『キャプテン翼』という世界的に有名なIP、キャラクターをお持ちで、翼君のファンが全世界に存在するところが、他のクラブとの大きな違いです。

南葛SCは東京・葛飾をホームタウンとするクラブですが、東南アジアやヨーロッパなどから「一緒にビジネスをしたい」という話を頂きます。さらに、そうした国々から選手を迎え入れれば、「『キャプテン翼』の南葛SCにわが国の選手が入った」と話題になり、海外マーケティングへの展開も考えられるでしょう。葛飾区は成田空港や羽田空港とも京成線一本でアクセスできますから、インバウンドのお客さまも呼べるかもしれません。ビジネスが多方面に広がる可能性は非常に魅力的に感じます。

エルモ それはすごい、鳥肌が立ちます。言われてみれば、リアルとバーチャルとIP(知的財産)の融合が本当に実現する可能性が考えられますね。

えとみほ そうですね。南葛SCはその面白さを可能にする唯一無二の存在かもしれないと思います。

図解作成:Marketing Native編集部

「頭を下げて、スタジアムに来てもらう」ことへの違和感

エルモ えとみほさんの主な仕事は集客や地域との関係づくりですか。

えとみほ マーケティング部長としての役割を頂いているのですが、Jリーグ時代と違うのは、有料の興行ではなく、無料で試合を開放していることです。オンラインのチケット管理アプリを導入してお客さまの情報を取り、分析に着手してはいますが、栃木SC時代のようなチケット販売に関するミッションはありません。今は「南葛SCの価値を上げ、認知を広げることなら何をしてもいい」と岩本GMから言われていて、まずはプロモーションに重点を置いています。その1つがホームタウン活動。葛飾の方なら皆さんが知っていて、皆さんが応援するクラブにするのが一番大事なミッションです。

エルモ なかなかハードルが高いですね。ホームタウン活動のほかに、重きを置いている活動はありますか。

えとみほ 観客動員です。無料のうちにスタジアムに入りきれないくらいの人を集めたいと思っています。

Jリーグ時代にすごく苦労したのは、やはり集客でした。4年間、Jリーグのクラブにいて疑問に思っていたのは、「本当に頭を下げてまで来てもらうようなことなのか」です。

エルモ どういう意味ですか。

えとみほ 例えば、集客のために入場無料のチケットを配ったり、パートナー(スポンサー)さんが社員を動員して「来てください」と頭を下げてもらったり、ギブアウェイのTシャツを配布したりしていたのですが、私は途中から「そもそも一生懸命お願いして、お客さまに来てもらうことなのか?」「面白い試合をしているから、お金を払ってでもスタジアムで見たい、となるのが本来あるべき姿ではないか?」と疑問を感じるようになりました。

なぜ集客に無理が生じるかというと、要因の1つは、スタジアムのキャパシティが大きすぎることです。キャパシティが大きすぎて需要と合っていないから、差分を埋めるために、お願いして来場してもらう必要が出てきます。

その経験を踏まえて、まず南葛SCのホームスタジアム「葛飾区奥戸総合スポーツセンター陸上競技場」という超満員になっても2,000人くらいのところを、お客さまであふれ返る状態にしたいと考えています。今は無料で観戦できますし、稲本(潤一)選手や今野(泰幸)選手のような日本代表経験者もいて、しかも東京都内にあり、公共交通機関を利用して来場できます。このスタジアムに、無料の整理券を発行したら争奪戦になるくらいまで人気を高めてから、お金を頂ける状態に持っていきたい。今シーズンはコロナもあってぎりぎりまで人を入れることができないのですが、それでも可能な限り「奥戸がいっぱいで入りきれない」という状況を作りたいと思っています。

エルモ 観客は今、何人くらい入っているのですか。

えとみほ 大体1,300〜1,400人くらいですね。チケット自体は毎回在庫がなくなるのですが、実際の着券が3割くらい減るので、この辺りのブレをなくして、1,500人のラインは超えたいと思っています。

画像はイメージ

「サッカーは認知しているけど、観戦しない人」へのアプローチ

エルモ ありがとうございます。次に、スポーツマーケティング全体についてお聞きします。以前noteに、『サッカーのようなメジャー競技のクラブビジネスは、多くの商売で最も苦労する「認知獲得」という段階をすっ飛ばしたところからマーケティング活動を始める』という趣旨のことを書かれていて、その通りだなと思いました。その半面、Webマーケティングのコンバージョンにあたる「実際にお客さまに足を運んでもらうこと」と認知との間にすごくギャップがあるように感じます。そういう「商品(南葛SC)は知っているけど、実際にスタジアムに足を運ばない人たち」に対するアプローチ手段として意識していることはありますか。

えとみほ いろいろありますが、前提として、サッカーのターゲットは文字通り老若男女幅広く、個人のサポーターも、カップルも、ファミリーにも来ていただきたいので、その分、どんな施策を打てばいいかわからなくなる傾向があります。その中で、各クラブが共通して注力しているのは、やはり子供や若年層だと思います。若年層がこれから生涯にわたって応援してくれる可能性があるのは魅力的です。

一方、最近サッカー界で、ちょっと衝撃的なことが起きました。日本代表の試合なのに観客が5,000人割れ(2022年7月19日、対香港戦、カシマスタジアム)となったのです。実は私もその日に代表戦があることを知りませんでした。サッカー業界に所属する人間でさえ知らなかったことに危機感を覚えます。

なぜそんなことが起きたのか。大きな理由の1つは、いわゆる「テレビ離れ」の影響だと思います。単純に昔は多くの人が今よりもっと長い時間、テレビを見ていましたし、試合の何日も前から「絶対に負けられない戦いがある」みたいなCMがたくさん流れていたので、自然に情報が入ってきました。ところが、今は若年層を中心にテレビの視聴時間が減り、テレビの地上波で放送される試合も少なくなる中で、試合開催に関する自然な情報収集が難しくなっている現実があります。

テレビに代わって若年層が見ている代表的な存在は、TikToKやYouTubeでしょう。だからアプローチとしては、その2つに限らず、情報の接点となり得るいろいろなチャネルに露出していくことが大事だと思います。

エルモ 工数はかかりますが、できることは全部押さえていく感じですね。えとみほさんの経験で、特に効果的な集客の施策は何ですか。

えとみほ 集客はやはりギブアウェイです。プレゼントがあると、たくさん来ていただけます。少し悲しい気持ちになりますが、必ずしも悪いことではなく、ギブアウェイを目当てに来たお客さまを常連化させるのが大事です。例えば、無料券のQRから情報を取って次のアプローチにつなげるなど、常連化していただくための仕組みを持っているのであれば、プレゼントの配布も施策の入り口として成立するし、一定の効果はあると思います。

あとは、認知獲得の点で、もうTikTokは外せないですね。

エルモ 栃木SCのときもTikTokを運用していましたが、新しい人にリーチできている実感はありましたか。

えとみほ はい、ファン・サポーター以外の方の認知獲得については、SNSの中でTikTokが今、一番効果的だと感じます。Twitterを含めてほとんどのSNSは、フォローベースで情報が拡散されるので、ファン、もしくはファンから1ホップ離れたところまでが中心になります。一方、TikTokはおすすめで動画が表示されるので、栃木SCに興味がなかったサッカーファンに加えて、地域の子供たちの認知や興味関心の獲得につなげることができました。

エルモ 南葛SCもTikTokの運用をしていますか。

えとみほ 運用しています。南葛SCは、私が入る前からTikTokに限らず、SNSに活発に取り組んでいて、それは岩本GMが「選手全員にTwitterをやらせる」という考え方だったからです。稲本選手や今野選手にもTwitterを始めてもらったら、さすがに彼らにはすぐ数千人のフォロワーが付きました。

画像はイメージ

可処分時間の争奪戦で、試合時間90分のサッカーが選ばれるには

エルモ ありがとうございます。次も、少し似た質問です。サッカーもエンタメ消費の1つであると思っていて、数あるエンタメの中で選ばれるにはどうすれば良いか、お考えを聞かせてください。TikTokは10~20秒で終わるコンテンツ、一方のサッカーは90分。しかもスタジアムで観戦するには足を運ぶ必要があり、チケットは基本的に有料。そういう構造的な難しさがあり、エンタメビジネスのコンテンツとしては相対的に厳しい状況にあると思います。どうすればサッカー観戦が選ばれると思いますか。

えとみほ それはサッカー界の多くの人が頭を抱えている課題で、明確な答えがあれば、すでに皆さんが実行していると思います。おっしゃる通りで、サッカー大国のヨーロッパや南米でも、子供たちが90分間集中して観戦できず、サッカーよりSNSやゲームを好む傾向が見られると一部で指摘されています。日本でも同様で、スタジアムに出かけて90分間集中して観戦したり、90分間じっとテレビを見続けたりするのは、これからますます厳しくなるだろうと思います。

プロ野球の場合、イニングごとやピッチャー交代のタイミングで集中を少し切ることができますし、満塁のチャンスで次が四番バッターなら皆が固唾をのんで見守るなど、リズムの強弱があります。一方、サッカーはいつ点が入るかわからないので、油断していると一番いいシーンを見逃しかねません。そうならないようにするには、やはり集中して観戦するしかなく、その点では不利なコンテンツと言えるかもしれません。

ただ、打つ手なしかというと、そうではなく、さまざまなことがデジタルに置き換わっていく中で、逆にリアルの体験価値が見直されていくのではないかと感じます。例えば、来日したパリ・サンジェルマンの親善試合(2022年7月20日、国立競技場)には、メッシら有名選手のプレーが見られることもあり、6万4922人が詰めかけました。約6万人収容のスタジアムに、6万人が集まって皆で一緒に同じコンテンツを見るというだけで、今はレアな体験だと思います。

そういうデジタルでは感じられない、レアな体験で独特の一体感、高揚感を得られると、感動して「また行きたい」という気持ちになる人も多いはず。CDの販売不振で不況に陥った音楽業界が、フェスで新たな収益を生み出せたように、ただ「音楽を聴きたい」、サッカーならただ「試合を観戦したい」と思わせるのではなく、場の雰囲気や楽しさも合わせて体験価値を上げ、皆で一緒にワクワクできるようなコンテンツにすることが、リアルシーンに観客を引き寄せる1つの手段になる気がします。

エルモ そうですよね。私はDAZN派で、年に2、3回しかスタジアムに行かないコアファンとライトファンの中間くらいだと思うのですが、確かに観戦に行ったときはすごく楽しくて、「やっぱりスタジアムで生観戦するのはいいなあ」と感じます。

編集部 場の体験価値を上げる方法は、ギブアウェイ、選手のサイン会、華やかな演出、スタジアムのグルメフードなどいろいろあると思いますが、集客効果が高いのは何でしょうか。

えとみほ 予算によってできることが大きく変わるので、一概に言うのは難しいですが、中でもグルメフードは強い引きになると思います。私もひとりのファンとしていろんなスタジアムに行きますが、「あそこのスタジアムだったらもう1回行ってもいいかな」と思うのは、ご飯の美味しいところが多いですね。中でも名物料理があると、「あそこならまた行ってみたい」という気分になりやすいと感じます。

画像はイメージ

求めているのは託児所ではなく、家族で気兼ねなく観戦できる場所

えとみほ 話を集客に戻すと、スタジアムに託児所を設置したほうがいいという議論をSNSで見かけたのですが、実は栃木SCのときに託児所のような施設をつくったものの、ほとんど利用されませんでした。

エルモ なぜでしょうか。

えとみほ 理由を調べてみると、「子供を預けてまでサッカーを見たいわけではなく、一緒に見られる環境が欲しい」「子供と一緒に見ていても安心で、子供たちが立ったり座ったり、ザワザワしていても、周りを気にしなくていい環境が欲しい」と言われて、なるほどと思いました。確かに今のスタジアムで普通の席に子供を連れていきやすいかといえば、難しい。しかも子供が90分集中できるかというと、それも厳しいわけです。そんな子供たちの存在を試合中に親が心配しなくてもよくて、かつ子供も行きたいと望むような施設になれば、おそらくまだまだ人を呼べると思います。

私が1つ課題に思っているのが、若いサポーターの中には、子育て世代のときに離脱してしまう人が少なくないことです。これには大きく2つの理由があって、1つは先ほども申し上げたように、子供を気軽に連れていくには少し厳しい環境であること。もう1つは、配偶者の方がサッカーをあまり好きではなく、「なぜ私たちを置いて、あなただけ自分の趣味を優先して出かけていくの?」と言われてしまうので、なかなか足を運びづらいことです。だからこそ、家族みんなでもっと気兼ねなく楽しめるスペースをつくったら、もっと集客できるのではないかと思います。

エルモ 「スペース」とは、試合を見られる場所で、というイメージですか。

えとみほ そうですね。例えば、どんなときに困るかというと、子供が落ち着きなく立ったり座ったり走り回ったりするときです。また寝落ちしたときも個席に寝かせておくわけにいきません。そんなときに避難できる場所があり、そこに生では見られないけど試合中継が流れているモニターがあると、観客席とその場所を行ったり来たりしながら試合も見られる状況がつくれるのかなと思います。

画像は本人のご提供

スポーツビジネスを志望する人へのアドバイス

エルモ なるほど、わかりました。次に、サッカーに限らず、普段エンタメビジネスで参考にしたり、気にかけていたりする事例があれば、お伺いしたいです。

えとみほ Jリーグのクラブの施策はひと通り見ています。Jリーグにいたときは、マーケティング会議の共有会に参加していました。内々の会議なので、詳しい数字や反応、課題点などを共有してもらうことができ、ありがたかったです。

エルモ へぇ〜、そうなんですね!意外と横でつながっていて、ビックリしました。

えとみほ チーム同士はもちろんライバルですが、クラブとしてはライバルのようでライバルではありません。裏方の人間はテリトリー(地域)やカテゴリ(事業規模)などの単位で競合になりにくいので、案外いろんなことを教え合ったりシェアし合ったりしています。

エルモ そこはリアルビジネスの良いところですね。

えとみほ 確かにそうですね。食い合わないのは良いことだと感じます。実際はJ2やJ3のカテゴリにいると、スケールや資金の壁もあって、J1の施策が全て参考になるわけではありません。とはいえ、まだできていないことがたくさんあるという気づきを得られます。ですから、違う業界に目を向ける前に自分たちの業界で成果を上げている人たちの話を聞いて、取り入れてみるのが1つあります。

あとは、他の競技もいろいろ見ていますが、個人的にプロレスは面白いと思っています。

エルモ そうなのですか!私は普段見ないので、どこが気になっているのかお伺いしていいですか。

えとみほ 新日本プロレスのSNSをよく見ていますが、女性ファンも多いですね。プロレスは一度、格闘技人気に押されて低迷した時期があったのですが、数年前から新日本プロレスがSNSを中心にゲリラマーケティング的な施策をいろいろと実行して、女性ファンを増やすことに成功しました。今は棚橋(弘至)選手やオカダ・カズチカ選手ら華のある選手を前面に打ち出していて、女性ファンの心をうまく捉えていると感じます。新日本プロレス復活に関するビジネス視点の記事もたくさん出ていますよ。

エルモ ありがとうございます。ウォッチしてみます。最後に、スポーツビジネスに取り組みたい人へのアドバイスをお願いします。

えとみほ 皆さんがおっしゃっていると思いますが、強い武器を1つ持って業界に入ってくることです。財務、デジタルマーケティング、動画編集、地方自治体での勤務経験など、ジャンルは問いません。

エルモ 地方自治体での勤務経験とは、折衝がしやすいということですか。

えとみほ 役所にはどうしても、民間企業とは異なる意思決定の仕方やフローがあり、地方自治体で働いていた方はその辺をよくご存じだと思います。例えば、スタジアム自体も自治体が所有していることが多いですし、ほかにも自治体の方と交渉し、一緒に仕事をしていく機会はたくさんあります。だから、自治体の方とうまくコミュニケーションを取り、業務をスムーズに進捗させられる人はスポーツビジネスの世界で重宝されると思います。

エルモ 思いもよらないキャリアが、スポーツビジネスでは武器になるかもしれないとは、面白い話ですね。

えとみほ そうですね。逆にスポーツができる人はいっぱいいる世界なので、「スポーツの勉強をしました」「スポーツをここまで極めました」という人は、ビジネスサイドではおそらくあまり武器にならない気がします。「スポーツ業界に普通は行かないよね」という経歴やキャラクターのほうが実は強いと思います。

エルモ ありがとうございます。あらためて今日、お話を伺っていて、南葛SCの5年後、10年後が本当に楽しみになりました。もしかしたらJリーグで唯一無二の世界的なクラブになる可能性を秘めているのではないかとワクワクします。これからのご活躍を楽しみにしています。

えとみほ ありがとうございます。

編集部 えとみほさん、エルモさん、本日はありがとうございました。

 

Profile

 

 

 

 

 

江藤 美帆(えとう・みほ)
株式会社 南葛SC マーケティング部 部長。
米国留学時の1995年よりフリーのテクニカルライターとして活動し、2004年に日本における「禁煙セラピー」のコンテンツ管理会社を起業。シリーズ300万部を売り上げ2010年に事業譲渡。その後、外資IT・大手ネット広告企業を経て、社内起業でスマホの写真が売れちゃうアプリ「Snapmart」を開発。2016年に独立してスナップマート株式会社 代表取締役に就任(ピクスタ株式会社100%出資子会社)。2018年に社長退任後、まったくの業界未経験でJリーグ 栃木SCマーケティング戦略部部長に就任(翌年より取締役)。現在は、サッカークラブとしては2社目となる関東1部リーグ所属の南葛SCにてマーケティング責任者をしつつ、複数の企業で社外取締役や顧問などを務める。
Twitter:@etomiho
note:https://note.com/etomiho/
南葛SC Twitter:@nankatsu_staff

 

 

 

 

 

エルモ
マーケ思考のキュレーター。ビジネス・マーケティングをトピックに扱うニュースレターMarketing Media Labが人気。広告代理店にて、企業のマーケティング支援も行っている。
Twitter:@elmo_marketing
ニュースレター:Marketing Media Lab
ブログメディア:マーケとキャリアの攻略法





Source link