チャットボットはコールセンターで人間に置き換わってきたが、顧客の複雑な質問に答えるのがさほどうまくない。だが一般公開された「チャットGPT(ChatGPT)」から判断すると、そうした状況は変わるのかもしれない。このプログラムは膨大な情報をくまなく探し、自然に聞こえる文章をクエリーやプロンプトを基に生み出す。さまざまなプログラミング言語コードの作成・修正が可能で、詩やエッセーを文学的スタイルまで模倣して書ける。一部の専門家は人工知能(AI)の画期的な成果だと評し、多くの仕事で人間に代わることができ、グーグルなど巨大事業を破壊することもあり得ると考えている。ただ、チャットGPTなどのツールは賢そうに聞こえる誤情報をインターネットに大量に流す恐れもあると警告する専門家もいる。

1.「チャットGPT」の後ろ盾は誰か

  サンフランシスコに本拠を置く研究所オープンAIが開発した。オープンAIはプログラマーで起業家のサム・アルトマン氏やイーロン・マスク氏らシリコンバレーの富裕投資家が「全人類に恩恵を与える」AI技術開発を目的に2015年に共同で設立した。

  オープンAIはビデオゲームで人間に勝てるソフトウエアのほか、文章の説明を基に写真のようなリアルなものから空想的なものまで画像を生成できるツール「Dall-E」も開発した。チャットGPTは文書生成のAIプログラムの一種であるGPT(Generative Pre-Trained Transformer)の最新版。現在はオープンAIのウェブサイトで「研究のプレビュー」として無料で利用できるが、同社は収益化の方法を見つけたい考えだ。

  オープンAIの出資者には、19年に10億ドル(約1280億円)を拠出したマイクロソフトやリンクトインの共同創業者リード・ホフマン氏の慈善団体、コースラ・ベンチャーズなどがある。オープンAIによると、マスク氏は共同創業者で初期に非営利事業体のオープンAIに寄付したが、18年に手を引き、現在は経済的な利害関係はない。オープンAIは19年に営利目的の事業体創設に移行。ただ、投資家と従業員が受け取る投資リターンには上限があり、それを超える利益は当初の非営利事業体に戻すという独特な財務構造を持つ。

チャットGPTについてアレックス・ウェブ氏が語る

https://trib.al/lD0n2EO

2.どのように機能するのか

  GPTのツールは文章を読解でき、人間の話し方や書き方と似た文を生成できる。探している内容に関して典型的な例や明確な指示を与えられずにデータセットの中からパターンを見つける「教師なし学習」と呼ばれるプロセスで訓練される。最新版の「GPT-3」は、答えがふさわしく十分な情報を備えたものになるよう、ウィキペディアやニュースサイト、書籍、ブログなどインターネット上から文章を取り込む。チャットGPTはGPT-3に会話のインターフェースを追加した。

3.これまでの反響は

  チャットGPTが昨年11月下旬に公開されてから数日間で100万人余りが使い始めた。楽しみながら軽い気持ちで試すユーザーの投稿でソーシャルメディアは賑わっている。あいまいで取るに足らないような質問への回答を共有する人がいる一方で、教養のある歴史的な議論や大学の「論文」、ポップソングの歌詞、仮想通貨に関する詩、具体的な食生活ニーズに合う食事プラン、プログラミングの問題への解決策に感嘆する人もいた。

4.他にどのような用途があり得るか





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