27歳の西岡は、9月末から韓国で開催された「ATP250 ソウル」で4年ぶりにツアー大会での優勝を遂げると、世界ランキングもキャリアハイを更新。10月17日には初めてのトップ40入りを果たし、現在もその地位を保っている。パリ大会初戦では世界58位のカラツェフと対戦。7度もブレークチャンスを握られたがすべてしのぎ、自らは5度のチャンスのうち2度ブレークを果たして6-3、6-4、約1時間半で勝負を決めた。西岡は2回戦で第1シードである19歳の世界王者カルロス・アルカラス(スペイン)と初対戦の予定だ。それについて西岡は「#次は世界一と対戦 #楽しみ」とSNSで明かしている。

そのアルカラスは1回戦免除なのでまだパリで試合はしていないが、月曜日に大会会場で世界1位となったトロフィーを授与された。「世界1位になって、グランドスラムチャンピオンとなり、夢がかなった。このトロフィーをもらって、自分が1位だと感じた。僕には大きな意味がある」とアルカラスは喜びを語った。

第9シードのテイラー・フリッツ(アメリカ)は、世界32位のアレハンドロ・ダビドビッチ フォキナ(スペイン)との1回戦に7-5、6-2で勝利。フリッツは現在、8人が出場できる最終戦出場権レースで9人目の位置におり、前の2人、フェリックス・オジェ アリアシム(カナダ)かアンドレイ・ルブレフ(ロシア)を抜いて出場圏内に入るには、今大会で少なくとも決勝に進出しなければならないという厳しい戦いの中にいる。

今大会を最後に引退を表明している元世界6位、37歳のジル・シモン(フランス)は、元世界王者の35歳アンディ・マレー(イギリス)と対戦。二人のベテランは過去に18回対戦しておりマレーの16勝という戦績で、今回もマレーが第1セットを奪ったが、シモンが逆転勝利を果たして引退の日を先送りにした。最初のセットを4-6で落としたシモンは第2セットでも3-5とリードされるがそこから反撃を開始、地元ファンを沸かせた。

「クレイジーな試合だった。試合の間中押されていて、第2セットで3-4になった時、いろんな感情が押し寄せてきた。それでサービスゲームをプレーするのが難しく、ブレークされてしまった。だけどそこで彼が固くなってやり返すことができた。アンディに対してはあまりいい成績を残してないけど、どうしてもこの試合に勝ちたかった。勝てて本当に嬉しいよ」と語ったシモンは、2回戦でフリッツとの対戦になる。

第11シードのヤニク・シナー(イタリア)は、世界61位の予選勝者マルク アンドレア・ヒュスラー(スイス)に2-6、3-6のストレートで敗退。身長196cm、左打ちのヒュスラーは、ビッグサーブを生かした攻撃的なプレーを披露。6本のサービスエースを含む20本のウィナーを決め、わずか68分でシナーを退けた。第15シードのマリン・チリッチ(クロアチア)は、先々週「ATP250 ナポリ」で優勝した20歳のロレンツォ・ムゼッティ(イタリア)に、4-6、4-6で敗れた。

前述の通り、シーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(イタリア・トリノ/11月13日~11月20日/室内ハードコート)に出場するための残り2枠には現状オジェ アリアシムとルブレフが入っているが、続く2選手、フリッツとフベルト・フルカチュ(ポーランド)にもまだ逆転のチャンスは残されている。フルカチュもフリッツと同様、出場権を掴むためには最低でもパリ大会での決勝進出が条件だが、今大会3回戦ではオジェ アリアシムとフリッツが、そしてルブレフとフルカチュが、それぞれ直接対決となる可能性がある。熾烈な戦いを勝ち抜いて最終戦への切符を手にするのは誰だろうか。

(WOWOWテニスワールド編集部)

※写真は「楽天ジャパンオープン」での西岡
(Photo by WOWOWテニスワールド)



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