首都直下地震が危険と言われているけど、実際、自分の住んでいる場所はどれだけ危険なの?
そんな疑問に答えるランキングがあるのを知っていますか?
あなたの住む○○区○○町○丁目の地震リスクまで、細かく調べています。
専門家による地域ごとの分析とあわせて紹介します。
(首都圏局/記者 直井良介)

首都直下地震 危険度とは?

この地域危険度は東京都が、最大震度6強の大地震が発生した際のリスクについて、町丁目(ちょうちょうもく)と呼ばれる行政上の区画ごとに、おおむね5年に1回調べています。

評価項目は、大きく3つあります。

・揺れによって建物が倒壊する危険度
・火災が起こった際に、燃え広がる危険度
・災害時の救助・救援活動の困難さ

この3つをあわせて、「総合危険度」を評価し、順位付けします。
そして、危険性が低い地区から最も高い地区までを、「相対的」に5つに分類しています。

上の地図で見てみると、危険性が低いのが青や緑。オレンジ、赤と危険性が高まっていき、茶色が最も危険性が高い場所です。

環状7号線、中央線沿いに赤や茶色が多いことが分かります。
もう少し細かく見てみると、集中している場所は大きく3つあります。

いずれも23区ですが、(1)荒川、隅田川沿いと、(2)品川区南西部と大田区の中央部、そして(3)中野区の一部と杉並区東部になります

危険度の高い上位10位をまとめました。
詳しい内容は、東京都のホームページで見ることができます。
地震に関する地域危険度測定調査 

危険度が高い上位10位
1 荒川区 荒川6丁目
2 荒川区 町屋4丁目
3 足立区 柳原2丁目 
4 足立区 千住柳町
5 墨田区 京島2丁目
6 墨田区 墨田3丁目
7 足立区 千住大川町
8 江東区 北砂4丁目 
9 墨田区 押上3丁目
10 足立区 関原2丁目

“共通点は関東大震災にあり”

なぜ、こうした地域に集中しているのか。

地域危険度調査をまとめた専門家グループの座長で都市防災が専門の東京都立大学名誉教授、中林一樹さんは歴史的背景があるといいます。

東京都立大 中林一樹名誉教授
「もともと都心部に住んでいた人たちが関東大震災や東京大空襲で焼け出され、新たに住み着いたのがこうした地域です。都市計画などはなく、地主が次々と住宅をつくりました。その名残が今も残っているというわけです」

改めて、地域ごとにみていきます。
その前に注意していただきたい点です。

注意点(1)
まずこれは、「相対的」な評価ですので、ランク5が無くなるわけではありません。
前回ランクが4で、今回5になったからといって「危険になった」というわけではなく、
「ほかの地域の安全性が高まった」ことが要因です。

注意点(2)
全体的には、安全性は向上しています。
建物倒壊では2割、火災では5割、被害を受ける建物が減っていると、都の担当者は説明しています。

23区 (北側・東側)

荒川区や墨田区などは建物の倒壊と火災の危険度が極めて高い地域です。
関東大震災で焼け出されたたくさんの人が住み着いたことに加えて、荒川が運んだ砂や泥でできた地盤で、地震の揺れに弱い地盤です。

黄色い線は環状7号線、青い線は隅田川と荒川です。
道路の両側及び川沿いに危険度の高い地域が集まっていることがわかります。

“建物倒壊危険度”のランキングを見ると、1位は墨田区京島2丁目、2位は同じく墨田区京島3丁目などと、この地域に集中しています。

総合危険度で最も危険とされたのは荒川区の荒川6丁目でした。

23区(西側・南側)

23区の西側、杉並区や中野区は台地で、地盤は固く揺れにくいため、建物倒壊危険度は低いものの火災の危険度が極めて高い地域です。

環状7号の両側にあたる大田区や品川区の23区南側は地盤が軟らかく、火災の危険度も高くなっています。

JR中央線の沿線に比較的危険度の高い地域が集まっています。
特に、杉並区高円寺北3丁目は火災危険度も総合危険度もランクは5です。
この地域は戦後すぐに「闇市」が作られた場所で、その名残で建物が密集していると中林名誉教授は分析しています。

多摩地域

多摩地域は、比較的地盤が固く、23区東部のような木造住宅の密集もありません。

一方でこの地域は、道路網の整備が進んでいない地域も多く、被災地から救援場所までの時間が23区に比べてかかる、つまり、“災害時活動困難係数”が大きいという特徴があるということです。

燃えない・倒れない町を作るために

さて、さきほど私は、東京の安全の度合いを、「全体的には、安全性は向上している」と書きました。しかし、東京都立大学名誉教授の中林さんはこう指摘します。

東京都立大 中林一樹名誉教授
「東京都が去年公表した首都直下地震などの大地震の被害想定をみると、いまだにおよそ20万棟の建物が揺れで全壊、火災で全焼するとされている。これは、阪神淡路大震災の2倍近くです。確かに被害量は減っていますが、安心できるレベルではない」

いったいどのくらいの人が家を失うのか。そう考えると、対策の手はまだ緩められないと思います。

対策は?

では、どうすればいいのか。中林さんは重要度の高い2点を指摘します。

(1)自宅の改修
「まずは、家を建て替える際に、揺れや火災から強くする耐震や耐火の改修をすることです。しかし、これには大きなお金がかかりますから、自治体からの補助もうまく活用してください」
(東京都耐震ポータルサイト   ※NHKのサイトを離れます)

(2)地域全体で燃やさないことを徹底する
「町が残れば、そこでの生活が可能になります。災害を乗り越えることができるということです。ですので、地域全体で、火を出さないを徹底する。それがいわゆる町の共助です。火が出たら消火器を持って消しにいく。そういう防災活動をぜひやってください」

一方、特に木造密集地域では炎が大きくなったらいち早く広域の避難場所に避難することも忘れないでください。

阪神・淡路大震災から28年、そして関東大震災から100年になります。
首都圏は次の災害に備える「未災の地」として、備えを進めていきましょう。



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